アニメーターのお仕事に興味がある生徒さんに役立つ話をまとめました。漫画やイラ スト、風刺画、挿絵、似顔絵の仕事に興味がある人も参考になるかもしれません。
アニメとはアニメーションの略、即ち動画を意味しています。通常、毎秒30枚程度の 絵で構成されます。1時間作品は60×60×30の、途方もない枚数の絵です。一方、漫画 作品はアニメより遥かに少ない枚数の絵です。漫画とアニメの職業は両方とも絵を書く 仕事ですが、両者の枚数の違いから、ビジネスの仕組みが全く違います。漫画がヒット するとテレビアニメになり、実写映画もヒットします。実写映画からアニメ、アニメか ら漫画の方向にヒット作品はあまりありません。
アニメーターはアニメ製作用ソフトの意味もありますが、通常、アニメ作りを職業と している、絵描き屋さんです。一般にアニメの仕事は長時間労働です。おまけに休日が 少なめです。実写やアニメは映画やテレビやゲームに関連した仕事です。まず、長時間 労働です。もっとも、仕事は全てハードであり、アニメーターが特に厳しい訳ではあり ません。アニメ製作は机仕事ですので、外回りの営業や点検作業より体力的に楽です。 お客相手でないため、電話説明員と比べても楽です。
アニメーターの仕事の問題点は安い時給です。最初の3ヶ月間、毎日朝から夜まで働 いて、手取りは月3万から5万円程度です。週1回の家庭教師でも貰えそうな金額です 。勤め始めの2、3年間はお手伝いのような仕事ですので、月12万円前後です。最低 賃金並みです。普通、高卒でも正社員になれば、16万円程度の名目月収があります。大 学や専修学校を卒業しても高校生以下と言うわけです。
漫画が好きで、漫画家を志望する若者はたくさんいますが、絵の枚数が少ない分、ア ニメより仕事がありません。新人漫画家は新人アニメーターより悲惨です。売れっ子の 漫画家はアルバイターを雇い、複数の漫画を新聞や雑誌に連載できます。連載物は出版 社が1冊にまとめ、出版してくれます。こうなれば漫画家はラッキーですが、出版出来 る人はごく一部です。多くは生計すら立てられず、親の脛をかじることになります。一 方、普通の会社に就職し、社内報や説明書に漫画を描く仕事もあります。この方が、収 入が安定し、ほとんどの人にとって良いかもしれません。