講演者:ホンダカーズ松戸 営業主任 鈴木講師
場 所:関東第一高等学校 理事長室内 会議室
記:ITC会員 桑原
第3回目の講演会の講師はホンダカーズ松戸の鈴木健則さん。まず、自己紹介から講演は始まりました。
彼は小さいときから自動車が大好き。高校生のときバイクが趣味。2輪と4輪を両方 作っているホンダかヤマハに就職、と決めていたそうです。 親とも相談し、一代でホンダを大企業にした本田宗一郎氏に憧れてもいたため、ホン ダに決めました。高等学校卒業後、ホンダの自動車専門学校へ入学しました。
当時、ホンダは4輪メーカーでしたが、2輪中心の企業が販売。整備はホンダ直営工場のHondaSFに集約していました。ホンダは飛躍を狙い、3販売チャネルを整備し、クリオ店はレジェンドを旗艦に、比較的高額の車。SFもクリオ店に組み込まれました。プリモ店は軽自動車とシビックを販売。ベルノ店はスポーツ車を販売。講師は専門学校を卒業し、4店舗ある自動車販売会社の柏クリオに就職し、整備士になりました。
このころ、自動車は急激にコンピュータ化していました。インジェクションコントロールなどがコンピュータ化され、感と経験中心から、整備士は計器類を取り扱い、故障箇所の部品を交換するなど、電子機器の知識が必須になりました。ホンダはトヨタに比べ、弱小でした。コンピュータ化を積極的に進め、顧客管理、CSに力を入れました。同じころ、貴校のアドバイザーがホンダクリオに足を運ばれたのでしょう。今も、システム力が販売店の経営に直結していますので、本社は顧客管理システムを毎年強化し続けています。コンピュータを使いこなせる社員が販売会社を発展させています。
整備状況は顧客の満足不満足を決めます。整備士を担当し、CSの実践学習をできまし た。これは幸運でした。一般に、電子機器の障害は潜在化します。交換で済むと言えま すが、故障箇所が分からなければ交換できません。顧客の言葉から、故障や問題を察知 する感性が重要になりました。私はできる限り本社主催の勉強会に出席し、新しい技術 を勉強しています。学んだことを深く推論し、応用し、問題点を論理的に追求するため 、解決策を徹底的に追求する根性も必要です。お客様の言葉を些細な指摘と思わず、徹 底的に洗う、お客様の心を思える社員が会社を発展させます。
クリオ店で整備を担当しているとき、営業のプロと思える先輩に出会いました。彼はお客様を尊敬し、お客目線で思考し、良い悪いは簡単には決めませんでした。彼はお客様に、自分の考えを分かりやすく説明し、走ってお客様を出迎えていました。彼は自動車以上に、お客様と、その使用目的を熟知していました。彼こそ真の営業と私は尊敬し、眺めていました。
私も自動車の真の営業になりたいと思い始め、プロを目指すため、軽自動車中心の松戸のプリモ店に転社しました。軽自動車は低価格化のため機械中心でした。コンピュータ化は進んでいませんでした。整備から営業、また管理まで、全てを担当できました。小型店で今、技術が得意な、営業責任者を目指し、励んでいます。最新技術を学習し、趣味の顧客に説明しています。情報機器を活用し、顧客の要望を先取りしています。情報力は安売り競争を回避できるからです。
毎朝、全員で点呼し、順番に3分間スピーチをしています。営業は毎日、整備担当と情報を交換し、問題ありそうなら、直ぐ顧客に提供しています。整備担当も客先に自動車を届け、営業活動に寄与しています。問題点は飾らず顧客に伝達するように指導しています。問題点は次の商談の種になります。
今、ホンダは全車ハイブリッド化を事業戦略としています。普通の技術でハイブリッド化することです。例えば、プリウスの電池は40万円しますが、インサイトは20万円です。インサイトはHV-1と呼ばれています。自動車は購入価格以上に維持費がかかる時代です。この値段の差が示すように、トータルコストは絶対的に有利です。インサイトの運転感覚は、モーターの停止が少ないため、プリウスに比べはるかにガソリンエンジンの従来の運転感覚に近いと、お客様に評価されています。
今春、スポーツタイプのCR-Zを発売しました。HV-2です。マニュアル変則機構が選べるハイブリッド車です。既に年間販売予定台数を受注できました。HV-3はフィット-HVです。フィットは販売当初より、単一車種として世界1です。しかも、最初からHV化を想定して開発されています。ご期待ください。